和食の基本調味料「さしすせそ」は本当に「基本」なのか?
和食の基本調味料は「さしすせそ」は、砂糖・塩・酢・醤油・味噌。
この順に入れると上手に和食が作れますよ、なんてよく言われてますよね。
(出典: クックパッドニュース)
でも、ここ数年、これに疑問を感じる方もいらっしゃるようで、とくに「さ」の砂糖は違うんじゃないかと言ってる方もおいでるようです。
前記事で、砂糖が一般庶民の調味料となってから、たかだか120年あまりしか経っていないということ、そこからの考察で砂糖の常食が個人の身を滅ぼし、ひいては第二次世界大戦の敗戦を引き起こしたのではないか?いうお話を書きました。
primavera-rose1108.hatenablog.com
ここでふと思ったんです。
和食の基本調味料の「さしすせそ」
食生活を改善したかったら、まずはこれらを本物に変えることから始めましょう。
具体的には、
「砂糖」・・・極力使わないようにしましょう。
「塩」・・・・天然塩を使いましょう。
「酢」「醤油」「味噌」・・・化学合成されたものではなく、きちんと醸造されたものを使いましょう。
というのがよく言われているところ。
このこと自体は私も誰かから聞いたことだし、口にするのを全て有機野菜にこだわったりすることに比べたらコスパもよさそうということで、そうだと思って疑いもしていませんでした。
だけど、砂糖が一般庶民の調味料となってから、たかだか120年あまりしか経っていないのであれば、他の「しすせそ」はどうなんだろう?ってふと思ったんです。
例えば「塩」なんかは神棚にお供えしますよね。
(出典:御札や神棚に供える榊やお供え物の種類)
そもそもの前提として、お供えは「食べるものを与えていただいた感謝の気持ち」を神様に表わすものとして、自分がいただく食品の一部を捧げるものという理解で私はいます。
そして、「食べるものを与えていただいた感謝の気持ち」を表わすものとしてお供えするならば、古来より「自分たちにとって大切なもの」をお供えしたのではないか、と考えてみたんです。
それは、私たち自身の日常生活に当てはめてみてもよくわかりますよね。
例えば、遠方から親しい知人が遊びに来たときなんかもお気に入りのお店に連れて行きますし、来客用の食器なども普段使いのものより上質なものを用意しますよね。
だとすれば、神様にお供えするものも「人々にとって」より上質のもの、より大切なものの順から備えられたのではないかと考えることが出来るのではないでしょうか?
つまり、
神棚へのお供え物と日本人の身体と心と魂にとって最低限必要不可欠な食品。
それらに共通点があるのではないか?
という仮説を立ててみました。
あらためて、神棚にお供えする食べられるものをみてみますと、
(出典:神棚のお供物の配置 交換時期 神饌(しんせん)や榊の処分の仕方は?)
主に「米・御神酒(酒)・塩・水」。
このうち調味料は「酒」と「塩」ですよね。
ということは、古来より日本人が調味料として使用してきたのは「酒」と「塩」だけだったと考えられます。
つまり、和食の基本調味料と言ってもいいのは、「さしすせそ」のうち「し」の「塩」のみ。
・・・本当にそうなのでしょうか?
「砂糖」は、くどいようですが一般庶民の調味料となったのは120年少し前。
では、他の調味料はどうだったのでしょう?
「酢」は古来より調味料として使用されていたようなので、
日本へは応神天皇のころに中国から渡来したとされる。律令制では造酒司にて酒・醴(管理人注釈:かんしゅ。甘酒のこと)とともに造られており、酢漬けや酢の物、膾の調理に用いられていた。(Wikipediaより)
「酢」も和食の基本調味料といってもいいと思います。
では、「醤油」や「味噌」はどうでしょう?
こういう記事を読ませていただくと、はてなブログを書かれている方の1記事1記事のクオリティの高さといいますか、文量の多さといいますかがアメブロの比じゃないな、と痛感させられます。
アメブロの方はどちらかというと当たり障りのない内容がさらさらっと書かれていて、ほとんどがご自身のセミナーとかコンサルの告知が多かったように思われます。
いい悪いではなくて「場」のエネルギーが違うんでしょうね。
個人的にははてなブログにお引っ越ししてきて大正解だと思っています。
脱線してしまいました。汗
結論が最後の方に書かれていましたが、
*醤油や味噌が完全に独立した「調味料」と認識される様になったのも、砂糖が日本で流通する様になったのもこの時期(管理人注釈:江戸中期以降)。塩や酢はそれ以前から調味料として存在したから、ある意味これで一応「さしすせそ」が揃った事になる。
のだそうです。
食文化の歴史という観点からみると「醤油」や「味噌」は「塩」や「酢」と比較して、「砂糖」と同じくらい浅いということですよね。
では、「醤油」「味噌」は日本人にとって、本来必要のない食品ということでしょうか?
だけど、直感的に「砂糖」とは違い、「醤油」や「味噌」は身体にいい効果をもたらすような気もします。
ここで、もう一度、神棚にお供えするものを確認すると、主に「米・酒・塩・水」。
このうち「米」と「酒」に関しては、このように考えることができるのではないでしょうか?
・米=主食となる穀物
・酒=主食となる穀物から作られた発酵食品
ということは、神棚にお供えするものは
・主食となる穀物(米)
・主食となる穀物から作られた発酵食品(酒)
・塩
・水
つまり、
神棚へのお供え物と日本人の身体と心と魂にとって最低限必要不可欠な食品。
それらに共通点があるのではないか?
という観点でみると、やはり「醤油」「味噌」は必要不可欠とまでは言い切れないけれど、「醤油」も「味噌」も麹菌の作用で主原料である大豆などを発酵して作られる食品。
麹菌は国菌としても認められていますよね。
ということは、「醤油」も「味噌」も国菌として認められている麹菌の作用で造られる発酵調味料。
しかも、日本人のどの家庭にもあると思われるくらい一般的に普及してますよね。
であるなら、「醤油」も「味噌」も和食の基本調味料として見てよさそうです。
だいぶ話がずれ込みましたが、もともと今回は、
和食の基本調味料「さしすせそ」は本当に「基本」なのか?
という観点から話を進めてきました。
ここまでの話を踏まえて超個人的見解をのべますと、「さ」を「砂糖」ではなく、「酒(甘酒・日本酒)」とするなら、和食の基本調味料「さしすせそ」は本当に「基本」だと言えるのではないでしょうか。
・さ・・・「酒(甘酒・日本酒)」
・し・・・「塩」
・す・・・「酢」
・せ・・・「醤油」
・そ・・・「味噌」
ということですね。
そして、「塩」以外の4つに国菌である「麹菌」が絡んでいるのも、とても興味深いです。
もしかしたら、日本人にとっての「麹菌」は「アラジンの魔法のランプ」に出てくるジーニーちゃんのような存在なのかもしれませんよね。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。