日本人の身体と心と魂にとって最低限必要不可欠な食品とは?
昨今の健康ブームでやたらと脚光を浴びてる甘酒。
美味しいですよね。
私は豆乳と1:1で割って飲むのが好きですが、子どもたちはそのままの飲用は好まないので、料理に入れたり甘酒スイーツを作ったりしてますが、
「うま~♡」
と砂糖で甘みをつけたおやつよりもたくさん食べてくれるのは、母親として嬉しい限りです。
さて、前回、
神棚へのお供え物と日本人の身体と心と魂にとって最低限必要不可欠な食品。
それらに共通点があるのではないか?
といった観点からみると、和食の基本調味料「さしすせそ」は砂糖・塩・酢・醤油・味噌ではなく、酒(甘酒・日本酒)・塩・酢・醤油・味噌ではないかといった話を書きました。
primavera-rose1108.hatenablog.com
ここで、またふと疑問に思ったんです。
神棚にお供えする食べられるものは主に「米・御神酒(酒)・塩・水」。
なぜ、この4品が神棚にお供えされるのでしょう?
そこに
神棚へのお供え物と日本人の身体と心と魂にとって最低限必要不可欠な食品。
それらに共通点があるのではないか?
のヒントがあるような気がしたのです。
冒頭部分の一部を引用させていただくと
なぜ「米・酒・塩・水」と決まっているのでしょう?そして同時に「海のもの・山のもの・根のもの・土のもの」などなど、普通に食べられそうなものもお供えする。
「海のもの・山のもの・根のもの・土のもの」
列挙されているということはバランスが大事、ということなのかもしれません。
では、お供えする普通に食べられそうなものとは何でしょう?
その内容も書かれてありました。
本来、神饌(神様にお供えするおそなえもの)の順位は、
1.米
2.酒
3.塩
4.水
となります。ここに上記以外の神饌が加われば、
1.米(または飯・粥)
2.稲穂(米が「和稲」に対して、稲穂そのものは「荒稲」と呼ぶ)
3.酒(厳密に別ければ、これも白酒(しろき)・黒酒(くろき)・濁酒(にごりざけ)・清酒(すみさけ))
4.餅
5.魚(海魚、川魚)
6.貝
7.鳥(野鳥、水鳥)
8.海藻類(海菜)
9.野菜類
10.果物類(果実)
11.菓子
12.塩
13.水
※ 『神社有職故実』には、「これ等の中で、欠くことの出来ぬものは、米・塩・水の三種である」と書かれております
個人的に興味深いのは、1~4までが「米」に係わる食品であるということ。
日本人の精神性と米食文化はなにやら関係がありそうです。
こちらにも書かれているとおり、
※ 『神社有職故実』には、「これ等の中で、欠くことの出来ぬものは、米・塩・水の三種である」と書かれております
『神社有職故実』とは何だろうと思ってググってみたところ、1951年出版の古書のようで、内容について書かれているサイト等を確認することはできませんでしたが、
有職故実(ゆうそくこじつ)とは、古来の先例に基づいた、朝廷や公家、武家の行事や法令・制度・風俗・習慣・官職・儀式・装束などのこと。 また、それらを研究すること。(Wikipediaより)
ということなので、『仁者有職故実』とは、神社にかかわる古来の先例に基づいた習慣や儀礼等々をまとめてある本と考えて間違いないと思います。
そして、
神様にお供えするおそなえものの中で、欠くことが出来ぬものは、米・塩・水の三種である。
先ほども欠きましたが、そもそもお供えは「食べるものを与えていただいた感謝の気持ち」を神様に表わすものとして、自分がいただく食品の一部を捧げるというもの。
ということはつまり、日本人が命をつなぐために欠くことが出来ないものは、米・塩・水の三種である。といっても過言ではないのでしょうか?
和食の健康法といえば、まずマクロビオティックが頭に浮かびますが、創始者である桜沢如一先生が提唱した半断食による健康法「7号食」も、10日間玄米だけで過ごすというもの。
「7号食」は10日間、動物性油脂や砂糖、添加物などの余計なものを身体に取り入れないことで身体を大掃除し、健康効果を狙うというもの。
ということはマクロビの観点からも、命をつなぐために最低限必要なものは、米・塩・水のみ(塩は玄米を炊くのに必要)と言えそうです。
ですが、さすがに玄米ご飯だけでは飽きるでしょうし、他のものも食べられないとなると精神的にもつらくなりそうですよね。
そこで、もう一度神饌を確認してみると、
1.米(または飯・粥)
2.稲穂(米が「和稲」に対して、稲穂そのものは「荒稲」と呼ぶ)
3.酒(厳密に別ければ、これも白酒(しろき)・黒酒(くろき)・濁酒(にごりざけ)・清酒(すみさけ))
4.餅
5.魚(海魚、川魚)
6.貝
7.鳥(野鳥、水鳥)
8.海藻類(海菜)
9.野菜類
10.果物類(果実)
11.菓子
12.塩
13.水
ちなみに、
お神酒の部分で書いた4種類の酒、「白酒(しろき)・黒酒(くろき)・清酒(すみさけ)・濁酒(にごりざけ)」は、
白酒・・・神田で作った酒をそのまま醸造したもの
黒酒・・・木の灰を混ぜて、綺麗なうわずみの部分のみ
濁酒・・・今でいうどぶろくとか、甘酒
清酒・・・今で言われている日本酒と同じ
とのこと。
そもそもお供えは「食べるものを与えていただいた感謝の気持ち」を神様に表わすものとして、自分がいただく食品の一部を捧げるというものという前提条件で話を進めるなら、ここに書かれている酒(甘酒・日本酒)・餅・魚介類・鶏肉・海藻・野菜・果物・菓子は量さえ気を付ければ食べても問題はなさそうです。
そして、最近、身体によくないから摂取を控えましょう、といわれている食品たちの代表選手とも言える
「砂糖」「牛乳・乳製品」「獣肉(牛・豚など)」
これらはありませんよね。
やはり、これらの食品は日本人の身体には必要なさそうです。
ちなみに「菓子」が含まれてるじゃないか、「菓子」の中には当然、お砂糖は入ってるんじゃないの?
というツッコミが入りそうですが、そもそもお供えは「食べるものを与えていただいた感謝の気持ち」を神様に表わすものとして、自分がいただく食品の一部を捧げるもの。
ですから、ハレの日のお楽しみ、贈答品として捧げるお菓子は別にいいんじゃないの?そこに白砂糖が使われててもそれくらいいいでしょ?くらいに思っています。
こちらでも書きましたけど、
primavera-rose1108.hatenablog.com
白砂糖の摂取そのものが問題なのではなくて、摂取量が極端に多いのが問題なのです。
また、「酢」「醤油」「味噌」がお供えに含まれていないのは、調味料として使用されてきた歴史が浅いからだと考えられます。
primavera-rose1108.hatenablog.com
なので、日本人の身体と心と魂にとって、最低限必要不可欠な食品とは「米・塩・水」。
そして、これらに追加するなら「発酵調味料」という意味での「酒」なのではないでしょうか。
「酒の百薬の長」といい、適量の酒はどんな良薬よりも効果があるということですが、
個人的には、発酵調味料として使用する酒や甘酒は百薬の長である、といえるのではないかと考えています。
何はともあれ、身体が喜ぶものを楽しみながらいただきたいものですよね。
primavera-rose1108.hatenablog.com
今日もお読みいただき、ありがとうございました。