天然酵母とドライイーストの攻防
ども~、佑香です。
なんとなくですけど、天然酵母のパンは身体にいい、ドライイースト、特にインスタントドライイーストのパンは身体に悪い、っていうイメージがありません?
町のベーカリーでも「天然酵母」と謳われていたらそちらの方が身体にいいような気もしますし、スーパーで販売されている菓子パンなどでも「天然酵母」と書いてあると思わず身体のためにはこちらの方がいいのかな~と手を取りたくなったりもします。
だけど、本当にそうなのでしょうか。
天然酵母の方が身体にいい!ということなら、そちらの方をより積極的に選びたいですものね。
検証してみることにしました。
天然酵母と対比されて、イーストを化学的に作り出した添加物であると誤解されている方も多いのですが、パンに適した単種の微生物を工業的に純粋培養したものであって、決して化学的に作り出したものではありません。
ここで多くの方が誤解をしてしまいます。「天然」↔「人工とか化学」と対比されるので体に悪いのでは?と思ってしまいますが全く関係ありません。
●イーストのパン
“イースト(パン酵母)”はもともと自然界に存在した野生酵母の中から製パンに適した優良菌株を抜粋して純粋培養しています。特に、生イーストは発酵力が強く安定しているので、通常、大量生産されたパンに使われています。
●天然酵母パン
果物や穀物に付着している酵母に小麦粉などの穀物粉と水を加えて培養を繰り返し、製パンが可能なガス発生力のある、いわゆる“パン種”、“発酵種”がパンづくりに使用されます。そのような種には、酵母の他に多種多様な乳酸菌などの微生物が増殖して、通常のパン(パン酵母だけで発酵させたパン)以上に独特な風味、香り、食感があります。
当然、白米と比較するなら、
精白強力粉 ≒ 白米
全粒粉、ライ麦粉 ≒ 玄米、分つき米、雑穀米
となるんでしょうけど、なにやら、
イーストのパン ≒ 白米
天然酵母パン ≒ 玄米、分つき米、雑穀米
みたいな感覚を受けてしまうのは私だけでしょうか。
それが、イーストのパンは体に悪い、天然酵母のパンは体にいい、といったイメージにつながっているのかもしれません。
もしくは、
イーストのパン=イーストフードのパン
という誤解も入っているのかもしれませんよね。
では、食品のもつ生命エネルギーという観点から考えてみるとどうでしょう。
「体は食べたもので出来ている」
「体と心は繋がっている」
というのはよく聞く話ですが、そうであれば三段論法的に
「 心(精神)も食べたもので作られる」と言うことが出来ます。
以前、食べるものの性質が食べた人の性質に係わっているのではないか、という話をしましたが、
primavera-rose1108.hatenablog.com
イーストのパンと天然酵母パンの性質を見てみると、
●イーストのパン
“イースト(パン酵母)”はもともと自然界に存在した野生酵母の中から製パンに適した優良菌株を抜粋して純粋培養しています。特に、生イーストは発酵力が強く安定しているので、通常、大量生産されたパンに使われています。
●天然酵母パン
果物や穀物に付着している酵母に小麦粉などの穀物粉と水を加えて培養を繰り返し、製パンが可能なガス発生力のある、いわゆる“パン種”、“発酵種”がパンづくりに使用されます。そのような種には、酵母の他に多種多様な乳酸菌などの微生物が増殖して、通常のパン(パン酵母だけで発酵させたパン)以上に独特な風味、香り、食感があります。
これを子どもに置き換えてみると、
イースト → 進学塾や進学校で勉強ばかりしている成績優秀な子ども
天然酵母 → 勉強しないで野山で遊んでばかりいる子ども
と言えそうです。
どちらがいい悪いではなく、 どちらが生命エネルギーが高いんだろう?という観点から考えてみると、純粋培養されたイーストよりも天然酵母の方が、不安定な環境の中たくましく育っている分、持っている生命エネルギー、生命力が高いような気がします。
天然酵母についていろいろと調べていると、アンチ天然酵母派の意見なのでしょうか、
イースト → 純粋培養されたエリート集団
天然酵母 → 野良酵母
といった天然酵母を揶揄する書き込み等も見られましたが、野良酵母だからこその生命力の強さ、たくましさがあるのと思うのは私だけでしょうか。
子どもも管理された温室のような環境で育つより、野山をかけめぐり自然の環境の中で育つ方が、体も心も鍛えられるし、たくましく育ちますものね。
それと同じ事が酵母の世界でも言えると思います。
ですから、子どもにパンを食べさせるなら、イーストのパンより天然酵母パン、しかも自家製酵母パンの方が体にいいと私は結論づけました。
ただ、市販の「天然酵母パン」を購入するときは注意が必要です。
“天然酵母パン”の原材料を確認すると、天然酵母だけではなくイーストが併用されており、ただ単に、天然=安全というイメージを消費者にアピールする目的で天然酵母表示が使われる例が顕在化するようになりました。また、このような製品の多くは天然酵母の特徴がパンに見いだせません。そのため、消費者の天然酵母のイメージあるいは天然酵母表示に混乱を招くので“天然酵母パン”と表示するのは好ましくありません。
そもそも「天然酵母」とは何だろうか?ハッキリ言うと定義はないと言われているんです。すごく曖昧な表現でしかないのです。純粋培養されたイーストも元々は天然といえば天然なんだし、ましてや体に良い悪いなんてないんです。
別に天然酵母を批判しているわけではないんですが、あまりにも誤解を生じる売り方や表現が多いので。。。天然酵母を謳っていても、なんちゃってインスタント天然酵母を使用しているお店はたくさんあります。別に消費者をだまそうとしている訳ではないのでしょうが。。。
本当に天然酵母を種から起こして一生懸命管理されてパン作りをされているパン屋さんに失礼なんじゃないかと思ったまでです。
天然酵母を謳ってはいるけど、発酵力を安定させるためにイーストを併用するのはパン屋さんでも一般的なようですし、インスタント天然酵母(ドライタイプの天然酵母)と自家製酵母も同じ「天然酵母」としてしまうのもなんとなく違和感を感じたりもします。
「有機穀物で作った天然酵母」と謳ったインスタントドライイーストタイプの天然酵母も販売されており、インスタントドライイーストよりも発酵力は落ちるものの、イースト臭がせず小麦本来の香りが楽しめると、好まれる方もいらっしゃるようですが、これらはあくまで「天然酵母風のインスタントドライイースト」
身体への影響などはインスタントドライイーストと同じと考えて間違いないでしょう。
マクロビオティックでは、イーストパンは陰性の食べ物。身体を冷やすから避けた方がいいと言われていますが、
食べ物の全体を陰と陽の考え方で整理された陰陽表を見ると、天然酵母パンは中庸(過不足がなく調和がとれていること)に近い食べ物ですが、イーストパンは化学的に合成されていて、避けたほうがいい陰性の食べ物という位置にあります。
陰性の食べ物は体を冷やします。
より自然なのは天然酵母パンなのです。
マクロビオティック陰陽表でいうところの「天然酵母パン」はあくまで「自家製酵母パン」だと私は考えています。
いくら天然のものを培養したとはいえ、水分を除き、顆粒状になったものが果たして「自然なもの」といえるのでしょうか。
であれば、たとえ「天然酵母」を謳っていたとしても、ドライイーストタイプの天然酵母は陰性の食品、体を冷やすものだと私は考えています。
天然酵母とドライイースト、どちらが体にいいんだろう?ということを検証してみましたが、同じ「天然酵母」でも自家製酵母ならドライイーストよりも高い生命エネルギーを持っている、よって体にいいと言えると思います。
ということで、私も自家製酵母を育て、パンやお菓子作りに活用してます。
我が家のお子さまの人気ナンバーワンは酵母パンケーキ
兄ちゃんの帰りが待てない1歳児のいる光景。
我が家の自家製酵母についてはTwitterでつぶやいていますので、よかったらのぞいてみてくださいね。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。